正直な話、こどもは苦手だった。
だから、こどもを産んで驚いた。
私に、こんな母性があったとは!!
初めて抱いた我が子の
なんと愛おしいこと。
細くぱやぱやとした髪。
手のひらに指を添えると
小さくも力強く握り返してくる手。
何かを求めて力強く泣く声。
そしてこちらをじっと見つめてくる
一点の曇りもない眼差しに
今日まで心を掴まれっぱなしだ!
しかし、そうは言ってもやはり育児。
可愛いだけではしんどいこともある。
優に1時間は泣き続ける日もあるし
抱っこでなければ5分も寝ない日もある。
寝たと思ってソファに座ろうとすれば
何を休もうとしているんだ!動け!
とばかりに泣き出す我が子を抱えて
狭いリビングの中を
どうか寝てくれと祈りながら
徘徊する日々を過ごす。
我が子の泣き声はどうしてか
サイレンかのようにこちらを焦らせる。
どうにかして泣き止ませなければと
思えば思うほど上手くは行かず。
焦りばかりが募る。
寝不足に、産後の疲労
マタニティブルーズなんかも相まって
こちらの方が泣きたくなるような
そんな瞬間もあるけれど
それでもこの、暖かく柔らかい
我が子に触れて思う。
なんて幸せなんだろう。
何もしなくてよいならば
きっと何時間でも
いや、一日中
時が過ぎるのを忘れて
ずっと見つめていられるだろうな。
小さいお顔に
長く伸びたまつ毛、
きゅっと結んだ唇。
寝ているはずなのに
ときどきにんまりと笑う。
その度にこちらも笑顔になる。
すやすやと寝息を立てて
お腹が空くと泣く。
泣いてしまった!
ボーナスタイムはもう終わりかと
また寝かしつけが始まるわけだけど
突然鳴り響くおならの音とか
気づいたら腕の中で寝ていて
腕にかかる重さが増した時とか
兎にも角にも
すべてが愛おしく感じられる。
我が子に出逢ってからというもの
今まで知らなかった幸せを
日々更新しているのだ。
これは一体、どんな魔法なんだろうか。
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